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田中ひろし法律事務所のBlog

2015年5月26日 火曜日

傍聴のススメ ~裁判をもっと身近に~ 第2回

こんにちは。田中ひろし法律事務所です。
今日は先週に引き続き、傍聴についてです。

先週のブログで、裁判所は誰にでも出入りできるとご説明しました。
しかし、すべての裁判を誰でもが傍聴できるわけでは
ありません。
「せっかく行ったのに、傍聴できる裁判がなかった」
「見たい裁判があったのに傍聴できなかった」
といったことにならないよう、今日は、傍聴できる裁判と
傍聴できない裁判についてご紹介します。

まず、傍聴できる裁判についてですが、
原則として裁判は公開の法廷で行われることが
憲法(82条)によって定められています。
これは、国民の目に触れる場で行うことで裁判の公正さを
保つためです。
特に、
 "政治犯罪"、
 "出版に関する犯罪"、
 "憲法で保障する国民の権利が問題となっている事件"
の裁判は非公開で行うことはできません。

ただし、世間を騒がせた事件など、傍聴希望者が多いと
予想される裁判の場合は抽選になることがありますので
注意が必要です。

抽選の情報については、裁判所のホームページで公開されています。
http://www.courts.go.jp/kengaku/botyo_koufu/index.html

地方の裁判所だとそもそも裁判の数自体が少ないことも
ありますが、東京の高等裁判所などは抽選で行われる裁判が
たくさんあります。
http://www.courts.go.jp/app/botyokoufu_jp/list?id=6

抽選ではずれてしまうと傍聴できませんので、
初めての方は抽選がなさそうな裁判を選ぶと良いかもしれませんね。

話が少しそれましたが、つまり、裁判が非公開となるのは
例外的な場合のみ、ということです。
例外的な場合とは、たとえば、当事者のプライバシーや
名誉を守るため、あるいは企業秘密を守るためといった目的で、
一部が非公開とされる場合です。
具体的には、性犯罪に関する裁判で被害者の保護を目的として
本人質問を非公開とするケースや、
営業秘密に関する当事者尋問を非公開とするケースなどですが、
たいていはその当事者尋問の間だけ傍聴人が退廷させられ、
当事者尋問が終わればまた入廷できるようになります。

裁判そのものが非公開となることはまずめったにありません。

投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所 | 記事URL

2015年5月19日 火曜日

傍聴のススメ ~裁判をもっと身近に~ 第1回

こんにちは。田中ひろし法律事務所です。
4月から「法律に関する身近なお話」というテーマで
ブログの更新をしていますが、裁判となると
まだまだ敷居が高いのを感じます。
ウィキペディアでも、日本の訴訟件数について
こんな風に説明されています。

(日本の人口当たりの)「民事一審訴訟件数は、訴訟社会として知られるアメリカとは比べるべくもなく、ドイツの5分の1、フランスの7分の1にすぎない。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/訴訟社会

訴訟が少ないことは、一見すると揉め事が少ないようにも見えますが
ドイツやフランスの数分の一とは、あまりにも少なすぎますね。
裁判をすればスムーズに解決できたはずの問題が、
それをしなかったために放置されているとも考えられます。
放置された問題は、いずれどこかでもっと大きなトラブルになります。
もしかすると、「弁護士に相談しよう」と思いつかなかったがために、
悲しい事件に繋がってしまったケースもあるのかもしれません。
私たち弁護士事務所も、もっと弁護士や裁判を身近に感じて
もらえるよう努力をしなければいけない、と日々感じています。

そこで今回からは、少しでも裁判を身近に感じてもらうきっかけとして
裁判を傍聴する方法をご紹介したいと思います。

といっても、何も難しいことはありません。
実は、事前の手続きどころか、身分証明書も、申込書さえ
必要ないのです。
気が向いた日にふらっと立ち寄っても、追い出されるようなことは
ありません。
裁判所は、皆さんが想像されているよりずっと気軽に
出入りできる場所なんですよ。
もちろん、コメディ映画やお笑いライブを見るような気持ちで
出入りするのでは困りますが、
「関係者以外立ち入り禁止」
というような閉ざされた場所でないことは
もう少し広く知られても良いのではないかな、と思います。

投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所 | 記事URL

2015年5月12日 火曜日

海外旅行では現地の法律にご注意を! アメリカ・ヨーロッパ編

こんにちは、田中ひろし法律事務所です。
連休は終わりましたが、まだまだお休み気分の方も
多いのではないでしょうか。
今週も前回に引き続き、海外旅行で気をつけたい
外国の法律・条例についてご紹介します。

◇アメリカ
アメリカでは州によって法律が異なることは有名ですね。
(国の法律を連邦法、州の法律を州法と呼びますが、
詳しい説明は今回は置いておきます。)

・サボテンを折ってはならない(アリゾナ州)
 サボテンはアリゾナの名物だからでしょうか、
 無断で伐採すると懲役刑を課せられることもあります。

・歩行中の携帯電話の使用(ニュージャージー州)
 違反となるのは、歩きながら携帯電話を使用し、
 かつ信号無視をしたり横断歩道のない場所で道路を渡ったり
 した場合とのことです。いわゆる「ながらスマホ」ですね。

・地下鉄で飲酒をしてはならない(ニューヨーク州)
 ニューヨークの地下鉄というと、
 日本人工業デザイナー・宇田川信学氏デザインの車両を導入して
 格段に治安が良くなったことが話題になりました。
 観光ついでに地下鉄に乗ってみたい、と思う方も増えたのでは
 ないでしょうか。
 飲酒のほかに、座席に足を置くなどのマナー違反で罰金となる
 ケースもあるようです。
 乗車される際は気をつけてください。

◇ヨーロッパ
・スペイン広場では飲食禁止(イタリア・ローマ)
 名画『ローマの休日』のように広場でジェラートを食べることは
 できないんだとか。
http://ja.wikipedia.org/wiki/スペイン広場_%28ローマ%29

・サンマルコ広場でハトに餌をやってはならない
 (イタリア・ヴェネチア)
 こちらも観光客がついついやってしまいそうなことですね。
 日本円にして数万円の罰金となる可能性もあるとは、
 なかなか厳しい!と思われる方もいるかと思いますが、
 サンマルコ広場では以前はハトがつついて建物が傷ついたり
 フンで汚れたりして、掃除や修復で莫大な費用が
 かかっていたそうです。

・女王・国王の肖像切手を上下逆さまに貼るのは
 国家への反逆とみなされる(イギリス)
 外国に行って、現地のポストカードに現地の切手を貼って
 日本に送るのが習慣、という方もいるかと思います。
 切手の向きには充分に注意しましょう。

・女性のパンツルック禁止(フランス・パリ)
 こちらはなんと200年も前にできた条例で、近年になって
 ようやく見直しがされているとか。
 当然、いまどき守っている人はほとんどいませんし、
 取り締まりもされていません。
 改正も廃止もされないままの時代遅れな法律は、
 意外とあちこちの国にあるようです。

アメリカ・ヨーロッパ編は以上です。
今回は、海外旅行で気をつけたい、という視点で
ピックアップしましたが、他にも、Googleなどで
「海外 おもしろ法律」などのキーワードで検索すると
「どうしてこんなことをわざわざ禁止したんだろう?」
と思うような法律や条例がたくさんヒットしますよ。

こちらは今回の記事を書くにあたって参考とさせていただいたページです。

「え?何言ってんの?」世界の変な法律まとめ - NAVER まとめ 

電車の居眠りで罰金約9000円?知らなかったでは済まされない、世界のびっくり罰金刑とその理由 - NAVER まとめ 

いまとなってはおかしな法律でも、最初につくられたときには
それなりの理由があるものです。
法律の由来を調べてみるのも面白いかもしれません。

投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所 | 記事URL

2015年4月28日 火曜日

選挙カーは違反ではない?

こんにちは、田中ひろし法律事務所です。
統一地方選は後半戦も週末で決着がつき、
街もすっかり静かになりましたね。
さて、今回は選挙カーの話題です。

選挙カーの音が聞こえてくると投票に行かなきゃと思う、という人も
いますよね。
風物詩のようなものでもあり、選挙を盛り上げるという意味では
とても大事な手段ではありますが、小さなお子さんのいるご家庭や
試験勉強中の方、夜勤などで日中に睡眠をとる方には
正直なところ迷惑にも感じられたのではないでしょうか。

近年は騒音規制法の効果か、工事現場や高速道路なども
ずいぶん静かになりました。
繁華街など一部の場所を除けば、街中で大きな音を耳にする機会は
だいぶ減りましたね。
数年に1回の選挙で、街頭演説や選挙カーをつい「うるさい」と
思ってしまう人がいるのも無理はありません。

が、実は選挙運動は騒音規制法の規制対象ではないのです。
騒音規制法は主に工場や建設作業の現場などの騒音に関わるもので、
自動車騒音や深夜騒音などに関しては市町村長、地方自治体が
規制するとされています。

では地域の条例のほうは?というと...

私たちの住む熊本県には
 拡声機による暴騒音の規制に関する条例 
という条例がありますが、この中に
条例の規定は
「公職選挙法(昭和25年法律第100号)の定めるところにより
選挙運動又は選挙における政治活動のためにする拡声機の使用」
については適用しないと書かれています。

また、東京都の拡声機による暴騒音の規制に関する条例には
もっとわかりやすく
「拡声機の使用は、政治活動等における表現の伝達等のための
重要な手段でもあるのであって、法令及び健全な社会常識の
範囲内で行われるものが不当に制限されることがあってはならない」
とあります。

つまり、選挙運動のための拡声器の使用は「騒音」とは
みなされないんですね。

ただし、選挙カーは繁華街だけでなく住宅街もたくさん通るので、
地域住民の迷惑にならないよう、公職選挙法によって次のように
決められています。

・午前8時から午後8時までの間に行うこと
・学校および病院、診療所その他の療養施設の周辺では静穏を保持する

これらの決まりを守って活動している場合、選挙運動を故意に妨げると
妨害行為と見なされて逮捕されてしまうこともあります。
今回も、岡山市議選の候補者が乗る選挙カーの進路を妨害したとして
男性が逮捕されるというニュースがありました。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/161636

どうしても静かにしてほしい!という時でも、
苦情の伝え方には注意が必要です。

と、法律上は違反にはならない選挙カーですが、
やはり好ましく思わない人が一定数いるのも事実。
あまり時代に合わなくなってきた印象は否めません。
公職選挙法が改正され、インターネットを使った選挙運動が
できるようになりましたから、もし、
「選挙カーよりインターネットのほうが効果がある!」
となったら...
選挙カーの姿を見なくなる日も案外近いのかもしれません。

投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所 | 記事URL

2015年4月21日 火曜日

身近な法律解説 公職選挙法 第3回

こんにちは、田中ひろし法律事務所です。
統一地方選も後半戦に入りました。
今週も前回に引き続き、選挙違反に関するお話です。
→第1回の記事はこちらから
 
(3)旧い知人が出馬することになったので連絡をしてみたところ
  思出話で盛り上がり、自宅に招かれ夕食をご馳走して頂いた。

知人とはいえ、食事をご馳走したという点がまずいけません。
飲食物の提供はすべての人について禁止されていて、
たとえ選挙運動を手伝ってくれた人にお礼として
提供したのであっても不正になります。
さらに、実は公職選挙法では、
有権者の家を訪ねて(これを「戸別訪問」といいます。)
投票をお願いすることを禁じています。
個人の家の中のような第三者の目のない場所では、
投票を強要したり金品を渡したりといった不正が
行われやすくなるためです。
今回の場合は有権者を自宅に呼んでいますが、
状況は似たようなもので、決して褒められたことではないですね。

(4)候補者からこっそりお金を渡された。
これはもう皆さんもよくご存知の通りです。
お金で票が買えるとなったら、お金持ちばかりが
議員になってしまいますからね。

先週の事例もそうですが、ほんとうにちょっとしたことでも
違反になるので、もしかすると
「このくらい、許してあげれば?」
と思ってしまう優しい人もいるかもしれません。

でも、選挙で当選すれば、その人は法律や条令をつくる立場になるのです。
(英語では政治家を「lawmaker(法律を作る人=立法者)」とも呼びます。)
選挙に関する基本的な法律さえ知らない政治家が
もし議員になってしまったら...と考えたらどうでしょう。

「公職選挙法」という名前だけ聞くと、
立候補する人だけに関係するような印象ですが、
私たち有権者も、良い政治家を選ぶための「ものさし」として、
少しくらいは知っておきたいものですね。

投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所 | 記事URL

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